モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「それは……」

水牧くんの言ってることが正論なので言い返すことができない。

そりゃ、私だって今すぐ辞退したいけど、それだと参加自体が無効になってしまう。

そうなったら、ペアチケットが。

今の私の行動は、アズコンの主催者に対しても、メンバーに対しても、彼らを応援している人たちにも、

すごく失礼だということを改めて実感して反省する。

けど、今更引き返せないところまで来てしまっているのも事実だ。

「でもまぁ、今更、辞退なんて手遅れか。俺とペアになった以上、全力で優勝目指してもらうよ」

「え……」

なにそれ……。
水牧くんのセリフに思わず顔をあげる。

「俺の顔に泥塗ったら許さないから」

そう言ってニコッと笑った顔にムッとした。

普段から泥みたいな、汚らわしいことしているのは自分のくせに。

どの口が言っているんだ。
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