モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
でもあれ、美乃里ちゃん自分で作ったって言ってたよな……。
父親があんなに料理がうまいとやっぱり娘の彼女もそれを受け継いでいるのか?
「はぁ……わかった。まぁ、とりあえず、今日だけはアズコンのこと忘れるから」
「え、」
また聞こえたため息とだるそうなセリフ。
「パパにとって、水牧くんは大事なお客さんだし。水牧くんの素行の悪さ黙っててあげるよ。だから水牧くんも、」
あぁ、なるほどね。
「ん。今だけは忘れるよ。美乃里ちゃんが、俺のことぶったこと」
グッと顔を近づけてそう言えば、
「っ、いちいち近いのよっ」
一瞬で顔を赤く染めた。
多分、今朝のこと思い出したのかも。
「美乃里ちゃんが、いちいち赤くなるから。おもしろくて」
「ふんっ、ヘンタイ。タオル、横のそれ使って」
彼女はそう言って、洗面所を出て行った。
……歯向かうくせに、んな顔すんなよ。