モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「……ん、はよ」
ちゃんと返してくれたことに少しホッとしてる自分がいて、変な感じ。
「歯ブラシ、使い捨てのが洗面台の引き出しにあるから」
「まじ?助かる。ありがと」
そう言った水牧くんが、洗面所へと向かって行った。
ふーん。
意外と、ありがとうとかよく言う人なんだな……。
いや、人の家に世話になってる立場なんだか、お礼ぐらい言えて当然なんだけどね!
「剛さんは?」
双子たちの朝ごはんを作るためにボウルを取り出していると、洗面所から帰ってきた水牧くんが横からスッと現れた。
寝癖が直っている。
「仕事」
「え、もう?」
「6時には出てくよ。仕込みとかあるし、市場に買い物行く時はもっと早く出るかな」
「それで、帰りは昨日ぐらい?」
「まぁ……」
「じゃあ、剛さんほとんど家にいなくない?」
「うん。そーだね。あ、冷蔵庫から卵取って」
「あぁ……何個?」
「2個」
そういうと、サッと冷蔵庫を開けた水牧くんが調理台に卵を置いてくれた。