モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「美乃里ちゃん、なんか警戒心薄れてない?」

「え……」

ちょうど粉を全部入れ終わり顔を上げると、思ったよりも至近距離で、水牧くんと視線がぶつかった。

「近い。てか、すげー無防備」

「っ、はぁ?」

「それ、胸開きすぎだし。足もめちゃくちゃ出てんじゃん。誘ってんの?」

「〜〜っ」

あまりにも料理に集中していたせいで、忘れかけていた。

顔に熱が集まる。

今、私の隣にいる人物が、サイテー野郎だったこと。

「まぁ、俺も寝起きだったからあれだけど。目覚めてくるとそういうセンサー、ガンガっ……いっった!」

ベラベラうるさいその口を黙らせるために、彼の腹部を強く突く。

「……いってぇ、みぞおち入った。すぐ殴んのな、ほんんと。かわいくねー」

「ほんとサイテイ。キライ」
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