モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

ほんとに無理。
信じられない。この男。

「ふーん、キライ、ねぇ。俺が縛ってあげようか。しつけのなってないその手」

「人の話ちゃんと聞いてた?全然話噛み合ってないんだけど」

「ちゃんと聞いてたよ〜。生意気なワタシを縛ってくださいって聞こえた」

「耳終わってるじゃん。……って、はっ、ちょ、」

一瞬のことだった。

いきなり、目の前に影ができたかと思うと、肩に手を置かれてそのまま体を軽く押されて。

背中がトンっと冷蔵庫に触れた。

「ね、美乃里ちゃん」

グッと彼の顔が近づいて、首筋に彼の息がわざとらしくかかる。

「ちょ、離れてっ」

「嫌って言ったら?」

背筋がなぞられるようなゾクゾクした感覚に襲われた瞬間。

「おにいちゃんだれー?」

「……っ!!」

寝起きの可愛らしい声がした。
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