モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「果歩、おねえちゃんとおんなじ16さい?」
「うん。そーだよ」
「じゃあ、果歩にぃだ。果歩、おれのにーちゃんだ!」
「うん」
いや、うんって!!
こんなのが兄とか超絶危険なんですけど!!
「柚巳、水牧くんは柚巳のお兄ちゃんじゃ、」
「いいじゃん」
「へ、」
私のことを見上げた水牧くんが楽しそう口角をあげた。
「ここではおれ、柚巳くんの兄貴でいいよ」
「兄貴でいいって……」
なんでそんな……嬉しそうに言うわけ。
「果歩くんって、とってもかっこいいね。ライオン組のレンくんよりかっこいい」
朝から顔をピンクに染めてそう言う妹に、心の中でため息が出る。
そんな男、褒めるんじゃないよ。
彼女が将来、変な男に捕まらないように今からしっかり見張ってなくちゃ。
水牧果歩がかっこいいなんて、見る目がなさすぎる。
「えーうれしい〜、ありがとうー、里柚ちゃんもすっごくかわいいよ」
チャラ。
6歳児相手にもチャラいってどういうことよ。