モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「ごめんなさい、騒がしくして。時間大丈夫?」

「ん。バイト夕方からだから」

「そっか。ほんと、ごめん……」

玄関の外、水牧くんに何度も謝る。

相手はキライな人とはいえ、双子のせいで困らせてしまったのは事実だから。

「美乃里ちゃんが俺に謝るとか違和感すごいからやめてよ」

「ちょっ」

雑に頭を撫でられて、慌ててその手を払う。

「安心してよ。別に本気でキャンプ行こうとか思ってないから」

「えっ……」

予想外のセリフに思わず声が出てしまった。

「さっきはその場しのぎで言っただけだよ。まぁ、成功したからよかったものの」

でも……。それだと、双子は……水牧くんのこと嘘つきだって思っちゃうかも。

「その方が、美乃里ちゃんも好都合でしょ。俺があのふたりに嫌われた方が」

まるで、私の心の中が見えたみたいに、水牧くんがそう言った。
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