モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「うん……まぁ、そうだね」
そう、その方がいいに決まってる。
彼の言う通り。
私はこれ以上、彼と関わるのは嫌だ。
「ふっ、そうだねって。……じゃ、剛さんによろしく言っといて」
「うん……」
モヤモヤする。
胸のあたりが、すごく。
これじゃダメだって、なんか、身体が言ってる。
自分の中の細胞たちがうるさい。
「美乃里ちゃんのホットケーキもおいしかったよ。また作って」
「っ、」
「なんてね。うそうそ。今日は、色々ありがと」
そう言って振り返って背を向けたまま、手のひらをひらひらしてみせた彼が歩き出す。
……キライだけど。
こんなの、多分違う。
「……っ、き、来てよ!!」
「え……」
私の声に、彼の足が止まって再びこちらを向いた。