モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
Chapter5 嫌いなキミに頼みごと

キャンプに行った日から2日後。

「はぁ……」

教室の自分の席に着くなりため息が出る。

机の横にかけた紙袋には、あの夜、水牧くんから借りたパーカーが入っている。

昨日、洗濯物を取り込んでくれたパパが、このパーカーに気付いてものすごい勢いで私の部屋に入って来て、

まぁうるさかった。

『果歩くんが昨日着ていた服がなんでうちの洗濯物に混ざっているんだ!』って。

軽く説明したら、だらしのないにやけ顔をしていたっけ。

アズコンでいやでも関わることになるんだから、返すタイミングなんていくらでもあるんだけど、

私が寒がっていたのを気にして彼が服を貸してくれたっていうことが、

パパの中ですごく興奮することだったみたいで。

パーカーの入った袋とは別に、パパの手作りの惣菜が入った袋を渡されて、

『今日中に渡してね!ちゃんとお礼言うんだよ』なんて言われたから。

さらに憂鬱。
余計なことしなくていいのに。

『今、もっかいする?キス』

あんなこと言うようなやつに……!
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