猫かぶりなカップル
「あ、お兄じゃん! え、彼女連れ?」
元気な声がした。
声の方を向くと、キャップにマスクをした華奢な女の子がこっちに軽く手を振ってる。
顔はよく見えない。
ていうか、『お兄』って言った…?
ってことは…。
「お前ここで何やってんだよ、柚子(ユズ)…」
神城が言った。
やっぱりアイドルの神城ゆずだ!
ゆずちゃんが、こっちに近づいてきた。
そして、マスク越しでも分かる100点満点の笑顔をあたしに向ける。
「はじめまして~」
「は、じめまして…」
「お兄の彼女? あたし、妹の柚子です」
「柚子…ちゃん」
「っていうかお姉さん、めちゃくちゃ可愛いね! お兄、そんな性格でこんな可愛い子とよく付き合えたね?」
何この子…。
初対面のあたしに対しても、底抜けに明るい…。
すっごい魅力的な子…。
でも、テレビで見るのと若干性格が違うような?
テレビでは、笑顔が可愛くて元気な感じではあるけど、余計なことは言わないようなイメージ。
当たり障りがない感じ?
とにかく、こんなぐいぐい来る感じではない。
柚子ちゃんの言葉に、神城はそっぽを向く。
「ほっとけ…。色々あんだよ」
「ふーん。彼女さん、お名前は?」
小さい顔にくりくりの目で少し首をかしげてあたしのことを見る柚子ちゃん。
さすが人気アイドルなだけあって、その仕草だけでめちゃくちゃ可愛い。
よく見ると神城ともどことなく似てる。
正直テレビで見るよりこっちの方がずっと可愛い。
「杉谷くるみ…です」
「じゃあくるちゃんだね! なんかびっくりしてる? かわいいね!」
いつもだったら負けまいと瞬時に笑顔で挨拶するのに、柚子ちゃんを前にしたらなんだか急に素の自分って感じだ。
不思議な子…。
「ね、ちょうど良かった! さっきお菓子作ってみたんだけど食べに来てくれない? 大量にあるのに失敗しちゃった」
「お前失敗したモン人に食わせようとすんなよ…」
「うるさいなー。くるちゃんに聞いてるの。ね、いいでしょ?」
柚子ちゃんがあたしにまた笑顔を向けた。
生で見るアイドルスマイル、可愛すぎ…。
なんとなくその笑顔に押し切られるようにして、あたしは神城家まで引っ張られてしまった。
元気な声がした。
声の方を向くと、キャップにマスクをした華奢な女の子がこっちに軽く手を振ってる。
顔はよく見えない。
ていうか、『お兄』って言った…?
ってことは…。
「お前ここで何やってんだよ、柚子(ユズ)…」
神城が言った。
やっぱりアイドルの神城ゆずだ!
ゆずちゃんが、こっちに近づいてきた。
そして、マスク越しでも分かる100点満点の笑顔をあたしに向ける。
「はじめまして~」
「は、じめまして…」
「お兄の彼女? あたし、妹の柚子です」
「柚子…ちゃん」
「っていうかお姉さん、めちゃくちゃ可愛いね! お兄、そんな性格でこんな可愛い子とよく付き合えたね?」
何この子…。
初対面のあたしに対しても、底抜けに明るい…。
すっごい魅力的な子…。
でも、テレビで見るのと若干性格が違うような?
テレビでは、笑顔が可愛くて元気な感じではあるけど、余計なことは言わないようなイメージ。
当たり障りがない感じ?
とにかく、こんなぐいぐい来る感じではない。
柚子ちゃんの言葉に、神城はそっぽを向く。
「ほっとけ…。色々あんだよ」
「ふーん。彼女さん、お名前は?」
小さい顔にくりくりの目で少し首をかしげてあたしのことを見る柚子ちゃん。
さすが人気アイドルなだけあって、その仕草だけでめちゃくちゃ可愛い。
よく見ると神城ともどことなく似てる。
正直テレビで見るよりこっちの方がずっと可愛い。
「杉谷くるみ…です」
「じゃあくるちゃんだね! なんかびっくりしてる? かわいいね!」
いつもだったら負けまいと瞬時に笑顔で挨拶するのに、柚子ちゃんを前にしたらなんだか急に素の自分って感じだ。
不思議な子…。
「ね、ちょうど良かった! さっきお菓子作ってみたんだけど食べに来てくれない? 大量にあるのに失敗しちゃった」
「お前失敗したモン人に食わせようとすんなよ…」
「うるさいなー。くるちゃんに聞いてるの。ね、いいでしょ?」
柚子ちゃんがあたしにまた笑顔を向けた。
生で見るアイドルスマイル、可愛すぎ…。
なんとなくその笑顔に押し切られるようにして、あたしは神城家まで引っ張られてしまった。