猫かぶりなカップル
「じゃあ俺は行くね! くるみちゃん、お大事にね!?」
でっかい声でそう言って保健室の扉を開いた篠塚くんにホッとした。
これで解放される…。
と思ったら、すぐに戻ってきた。
なに!?
「くるみちゃん、神城いまそこ歩いてっけど呼ぶ?」
そう言う篠塚くん。
「やめて!?」
思わず強めに叫んでしまった。
あっ、やっばい…。
やらかした…。
篠塚くんが驚いた顔をしている。
「あ、だから…。こんな体調悪い姿、奏くんに見せたくないから…」
「あっ、そうか! 気が利かなくてごめん!」
「ううん、あたしこそせっかく気を回してくれたのにごめんね?」
「まじ全然気にしないで! お大事に!」
そう言って篠塚くんが保健室を出て行った。
あ~…さっきのやっぱやばかったな…。
こんなにミスしたことないんだけど…。
でもなんかどうでもいい…。
なんかもうほんと…あたしの猫かぶりのことなんか、今のこのつらい気持ちの前ではどうでもいいことに思える。
今まで、体面を守ることが最優先だったのに。
それだけ奏が好きってこと…。
最悪…。
奏と顔を合わせるのがつらい。
もう…この関係、終わりにしたい…。
保健室のベッドの中、震える手で、昨日から切りっぱなしだったスマホの電源をつけた。
奏から着信が10件と、メッセージ通知が4件。
『明日話ある』
『なんで電話出ねえの?』
『なんかあったか心配すっから既読だけでもつけろよ』
『大丈夫か?』
あとはほぼ着信…。
心配かけてごめん…。
でっかい声でそう言って保健室の扉を開いた篠塚くんにホッとした。
これで解放される…。
と思ったら、すぐに戻ってきた。
なに!?
「くるみちゃん、神城いまそこ歩いてっけど呼ぶ?」
そう言う篠塚くん。
「やめて!?」
思わず強めに叫んでしまった。
あっ、やっばい…。
やらかした…。
篠塚くんが驚いた顔をしている。
「あ、だから…。こんな体調悪い姿、奏くんに見せたくないから…」
「あっ、そうか! 気が利かなくてごめん!」
「ううん、あたしこそせっかく気を回してくれたのにごめんね?」
「まじ全然気にしないで! お大事に!」
そう言って篠塚くんが保健室を出て行った。
あ~…さっきのやっぱやばかったな…。
こんなにミスしたことないんだけど…。
でもなんかどうでもいい…。
なんかもうほんと…あたしの猫かぶりのことなんか、今のこのつらい気持ちの前ではどうでもいいことに思える。
今まで、体面を守ることが最優先だったのに。
それだけ奏が好きってこと…。
最悪…。
奏と顔を合わせるのがつらい。
もう…この関係、終わりにしたい…。
保健室のベッドの中、震える手で、昨日から切りっぱなしだったスマホの電源をつけた。
奏から着信が10件と、メッセージ通知が4件。
『明日話ある』
『なんで電話出ねえの?』
『なんかあったか心配すっから既読だけでもつけろよ』
『大丈夫か?』
あとはほぼ着信…。
心配かけてごめん…。