猫かぶりなカップル
中途半端でムカつく。
結局あたしのことそんな風に言って振り回してるだけじゃん…。
なのに、あたしを見る奏の瞳が何だかいつもよりも優しく見えて。
心臓がドキドキとうるさくなっている。
あたしはとっさに顔を伏せた。
奏がもう一度口を開いた。
「くるみといると、自然体でいられんの。柚子と遊びにお前がうちに来るのだって、どっかで喜んでる自分、感じてた」
「なに…それ…」
「この前公園とこで泣いてるお前見て、心の底から可愛いし大事にしてえって思ったんだよ」
「…」
「多分これ、…好きってことだろうな」
信じられない言葉が、耳の中からゆっくりと体中に浸透する。
ドキドキと奏の顔をゆっくり見上げた。
少し照れたように、でも愛おしいような目であたしを見つめる奏が見える…。
気づいたら泣いていた。
「なに泣いてんだよ」
そう言って奏があたしの涙を拭う。
あたしは奏の胸に自分の顔を軽く乗せた。
「あたしも好き…」
かすれそうな声であたしがそう言うと、奏はあたしの顔を自分の方に向けた。
そして、おでこにキス…。
「じゃ、さっきの別れ話は無効な?」
泣いたままの顔で、あたしは声も出せずに首を振ってうなずいた。
「ははっ」と笑う奏が、やっぱり好きだと実感させる。
「もう一回キスさせろ」
奏がそう言って、あたしの返事も待たずに、もう一度優しくキスをした。
--
幸せって多分こういうこと。
初めて好きになった人があたしのことを好きだと言ってくれた。
今なら何だって出来るんじゃないかと思う。
結局あたしのことそんな風に言って振り回してるだけじゃん…。
なのに、あたしを見る奏の瞳が何だかいつもよりも優しく見えて。
心臓がドキドキとうるさくなっている。
あたしはとっさに顔を伏せた。
奏がもう一度口を開いた。
「くるみといると、自然体でいられんの。柚子と遊びにお前がうちに来るのだって、どっかで喜んでる自分、感じてた」
「なに…それ…」
「この前公園とこで泣いてるお前見て、心の底から可愛いし大事にしてえって思ったんだよ」
「…」
「多分これ、…好きってことだろうな」
信じられない言葉が、耳の中からゆっくりと体中に浸透する。
ドキドキと奏の顔をゆっくり見上げた。
少し照れたように、でも愛おしいような目であたしを見つめる奏が見える…。
気づいたら泣いていた。
「なに泣いてんだよ」
そう言って奏があたしの涙を拭う。
あたしは奏の胸に自分の顔を軽く乗せた。
「あたしも好き…」
かすれそうな声であたしがそう言うと、奏はあたしの顔を自分の方に向けた。
そして、おでこにキス…。
「じゃ、さっきの別れ話は無効な?」
泣いたままの顔で、あたしは声も出せずに首を振ってうなずいた。
「ははっ」と笑う奏が、やっぱり好きだと実感させる。
「もう一回キスさせろ」
奏がそう言って、あたしの返事も待たずに、もう一度優しくキスをした。
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幸せって多分こういうこと。
初めて好きになった人があたしのことを好きだと言ってくれた。
今なら何だって出来るんじゃないかと思う。