猫かぶりなカップル
何だか急に、みんなを騙していることが申し訳なくなった。
ていうか、今のあたしは何のために猫をかぶっているんだろう。
なんか…分からなくなっちゃった。
すごく無駄なことをしている気分。
みんなに嘘をついてて、なんか…嫌だな。
そんな風に意識して思うのは初めてだった。
今までずっと、嘘をついてつきまくって仮面をかぶって。
そんな風にして自分を塗り固めて生きてきたのに。
そんな嫌だった自分を、ようやく認めて、克服してあげられる気がした。
ぼんやりとそんなことを考えながら、そのタイミングが分からないまま数日が過ぎた。
今日も奏の家。
柚子ちゃんはこのあと仕事があるらしく、何やら仕事に行く準備をしてる。
あたしと奏はリビングで映画を見ていて。
相変わらず奏があたしを足の間に入れて抱きしめてる。
奏に相談したいな…。
そう思ってチラチラと後ろの奏の様子をうかがった。
「奏、あのね…」
そのとき、家の鍵が開く音がした。
「ただいまー」
女の人の綺麗な声が聞こえてくる。
えっ、もしかして…。
「ママ! おかえりー!」
柚子ちゃんが言った。
やっぱり奏のお母さんだ!
ってことは、女優の藤岡佐織…?
えっ、今帰ってきたのって、あの大女優な上に彼氏の母親!?
やばくない…?
突然のことで心の準備できてないんだけど!?
奏を振りほどいて慌てて立ち上がった。
そのタイミングで、藤岡佐織さんがリビングに入ってきた。
「お邪魔しております!」
あたしを驚いた顔で見る藤岡さん。
めちゃくちゃ綺麗な人…。
本物の藤岡佐織だ…。
ていうか、今のあたしは何のために猫をかぶっているんだろう。
なんか…分からなくなっちゃった。
すごく無駄なことをしている気分。
みんなに嘘をついてて、なんか…嫌だな。
そんな風に意識して思うのは初めてだった。
今までずっと、嘘をついてつきまくって仮面をかぶって。
そんな風にして自分を塗り固めて生きてきたのに。
そんな嫌だった自分を、ようやく認めて、克服してあげられる気がした。
ぼんやりとそんなことを考えながら、そのタイミングが分からないまま数日が過ぎた。
今日も奏の家。
柚子ちゃんはこのあと仕事があるらしく、何やら仕事に行く準備をしてる。
あたしと奏はリビングで映画を見ていて。
相変わらず奏があたしを足の間に入れて抱きしめてる。
奏に相談したいな…。
そう思ってチラチラと後ろの奏の様子をうかがった。
「奏、あのね…」
そのとき、家の鍵が開く音がした。
「ただいまー」
女の人の綺麗な声が聞こえてくる。
えっ、もしかして…。
「ママ! おかえりー!」
柚子ちゃんが言った。
やっぱり奏のお母さんだ!
ってことは、女優の藤岡佐織…?
えっ、今帰ってきたのって、あの大女優な上に彼氏の母親!?
やばくない…?
突然のことで心の準備できてないんだけど!?
奏を振りほどいて慌てて立ち上がった。
そのタイミングで、藤岡佐織さんがリビングに入ってきた。
「お邪魔しております!」
あたしを驚いた顔で見る藤岡さん。
めちゃくちゃ綺麗な人…。
本物の藤岡佐織だ…。