【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい
「アルーシャ様、今のは挑発のつもりですか?」





「そんな意地の悪いことなんてしないわよ。私はただ、二人が楽しそうだったからそう、言葉にしただけ」






「やはりあなたとは婚約は無理だ」





「え?ちょっと、ルイス...!」





ルイスはアルマを追いかけた。






雨が降り始めた。アルマは雨に気づいて足を止める。





「アルマ、大丈夫か?」





大丈夫じゃないです。この雨がボクを正気にしてくれたことでもう、我慢が出来なくなっています。





アルーシャ様に言い返したかった。ボクは本当はルイス様とデートしたい。






あなたはルイス様を独り占めしているのはもう、見てられない。





ルイスの心にはボクの手が届かなくなっている。遅いんだ。もう...。





婚約が決まった時に諦めてればよかった。そしたらボクはこんなに傷つかなくて、苦しい思いをなくても済んだのに。
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