【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい
「アルマ...？お前」





涙が止まらないや。今まで溜め込んでいたものが全て雨と共に流れていく。






「テオ様、ボク...」






テオはアルマの気持ちを受け取れるように抱きしめた。テオ自身もアルマが悲しんでいる姿には耐えられなかった。





「もう、いい。全て忘れろ。俺がその分お前を幸せにする...。だから、これ以上悲しむな」





雨で冷えきった体にテオ様の体温が伝わってきた。テオ様はボクを大切に想ってくれている。





この方といればボクはこれ以上悲しまなくて済むのだろうか。





「テオ様、ボクはテオ様との婚約を承諾します」





悲しい思いはもうしたくない。だからボクは前に進んで、この気持ちを完全に無くすことにした。





その一歩がテオ様との婚約。これでいいんだ。ボクが幸せになるにはこの方法しかない。





「アルマ...！」




来て、くれたんだねルイス様。手間が省けた。





「ルイス様、お話があります」





「はぁ..はぁ...。アルマ？」






「ボクはテオ様と婚約することに決めました」






ルイス様、ボクはあなたのことを心から愛しています。だからこそ、ボクはあなたから離れることにしました。






ボクといたらルイス様は幸せになれない。迷惑かけるばかりになる。






さようならボクの愛しき人。そして、アルーシャ様とどうかお幸せに。

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