【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい
アルマは式場で装飾を行っていた。庭のバラを使って、辺り一面に飾る。





バラの香りだけは何も変わらない。人の気持ちや考えははいくらでも変わるのに。





これを飾れば最後だ。




装飾を終えたアルマは椅子に座って、会場全体を見渡した。




明日ここでルイス様はアルーシャ様と、ボクはテオ様と結婚するんだ。




テオ様と結婚するって決めたのにいまいち気持ちが前にいかない。




やっぱり、テオ様を心から愛していないからだよね。





「アルマ」





「ベラ様!?」




「少しお茶にしましょう」




ベラ様が紅茶を入れてくれるなんて初めてだ。オリバー様も絶賛する、ベラの紅茶。




「さぁ、お飲みなさい」




「いただきます。...美味しい。ラベンダーですね」



「そうよ。リラックス効果があるからアルマにいいんじゃないかって。最近、疲れているようだったから」




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