【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい
じゃあ後ろの花屋はお母様の。

この花屋さんを探せばお母様、それかボクの祖父母に会えるかもしれない。

「オリバー様。この花屋さんはまだありますでしょうか?」

「いや、残念だがアルマ。そこはもう、小さな雑貨屋になっている。それにアルマの祖父母ももう、他界している」

「そんな...。じゃあ、お母様やお父様は...」

「お前の母、エレノアも他界している。お前が生まれてすぐにな。そして父のライアンは...」

オリバー様はそこで話すのを止めてしまった。

ボクはそれ以上聞いてはならないと思い、その場を失礼しようとした。

「オリバー様、アルマのお父上は生きておられるんですか?それだけでもアルマに話されてはいかがですか?」

アルマは下がろうとしたらルイスが代わりにオリバーに父の安否を聞いた。

オリバーは一度ため息をついたが話す覚悟を決め、アルマを引き止めた。

「いつ話そうか迷っていたがいい機会だ。アルマ、話そう。お前の両親の事を...」
< 33 / 148 >

この作品をシェア

pagetop