【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい
「その時パーニスではある、強盗団が問題となっていた。そして奴らの次のターゲットが俺達の店だったわけだ」



その続きをまたライアンが話し始めた。



「店の金は空っぽ。もちろん帰る金も無くなった。そしてその後も災難が続いた」




強盗団はライアン達と店を立ち去ってから一週間後に警察によって拘束された。




お金が戻ってくる。そう思っていた矢先、強盗団が残した爪痕が徐々に露わになっていった。




強盗団は店に侵入した際、お金の他にその日売るパンも同時に盗んでいた。



仲間の一人がそのパンを持って町に行き、住民達にこう、話した。



「おい知ってるか?森の奥にある不気味なパン屋。これはその店のパンだ。見てろよ〜?」




口にパンを頬張り、もぐもぐとしてすぐにそのパンをわざとに吐き出した。



「まっじ〜。分かっただろ?あそこのパンは危険だ!食えたもんじゃねー。ははははっ!」




その噂を信じた住民達。そして、人から人へと噂が広がり、繁盛していた店はいつしか忘れられていった。








< 58 / 148 >

この作品をシェア

pagetop