【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい
これだけ言えればボクは満足。




「まだ、何か言いたいことがあるんじゃないのか?」




お見通しか。




「...はい。ルイス様の言う通り。まだ沢山言いたいことあります。聞きたいですか?」




「出来ることなら聞きたい」




「ひとつ、約束をして下さい。ボクが話す代わりにルイス様がボクのことどう思っているか聞かせて下さい」




こんな賭け。無意味だってよく分かってる。無意味だと分かっていてもボクはもう、こうしないと自分の気持ちを伝えられない。




「分かった。それで話してくれるなら。俺は、お前のことを...」





「妹みたいに思っている」




アルーシャ様!?どうしてここに。今の話もしかして聞かれていたかもしれない。





「アルーシャ、様...」





「そうでしょ?ルイス」





「はい....」





「アルマ聞いての通りよ。もうこれ以上、私たちの邪魔はしないでちょうだい。行きましょうルイス」





ルイスはアルマに背を向け、アルーシャと共にバラ園を出ていった。




一人の女性としてルイス様の心には居なかったことを知り、アルマはその場に泣き崩れた。




ルイスにとって、ボクは妹みたいな存在だった。一人の女性として見られなかったことがとても悔しい。




賭けなんてしないで正直に想いを伝えれば良かった。




もうボクにはルイス様を愛する資格は無くなったんだ。




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