独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「お兄さまの会社はまだ経営が不安定だから、大グループから業務提携の話をいただけてお兄さまも歓喜していたわ」
「そう……」
伯父が喜んでいたと聞き、なによりも家族のためになりたい私はうれしかった。
「あちらの会社にとってはたいした利益にならないでしょうに、一体どうしてあちらから申し出てくれたのか少し不思議だけれど、あなたに会えば透哉さんもきっと気に入ってくれるわね」
どうやら母は私と透哉さんに面識があるとは知らないようだった。
「あなたは孝太郎さんに似て上品できれいな顔立ちをしているし、思いやりのある優しい子だもの――なんて私が言うと完全に親ばかね。でも琴子は私の自慢の娘よ」
「お母さま……」
母が私をそんなふうに思ってくれていたなんて、私は胸が熱くなる。
「身上書の中を見ないの?」
透哉さんの身上書が入った封筒にそっと触れながらいつまでも開封しないでいると、母は怪訝な表情になった。
「そう……」
伯父が喜んでいたと聞き、なによりも家族のためになりたい私はうれしかった。
「あちらの会社にとってはたいした利益にならないでしょうに、一体どうしてあちらから申し出てくれたのか少し不思議だけれど、あなたに会えば透哉さんもきっと気に入ってくれるわね」
どうやら母は私と透哉さんに面識があるとは知らないようだった。
「あなたは孝太郎さんに似て上品できれいな顔立ちをしているし、思いやりのある優しい子だもの――なんて私が言うと完全に親ばかね。でも琴子は私の自慢の娘よ」
「お母さま……」
母が私をそんなふうに思ってくれていたなんて、私は胸が熱くなる。
「身上書の中を見ないの?」
透哉さんの身上書が入った封筒にそっと触れながらいつまでも開封しないでいると、母は怪訝な表情になった。