独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
勤務先がカフェからガールズバーに変更になったのは、透哉さんには言わなかった。

けれど先日透哉さんは、私がしたいことを制限するわけがないと言っていたから、きっと大丈夫だ。

与えてもらえた仕事をしっかりしようと私は意気込んだ。


アルバイトの出勤初日、ガールズバーのバックヤードで私を一目見た森窪さんは、難しい顔で「うーん」と唸った。

「真崎さんの私服ってめっちゃ地味だな」

「そうでしょうか……?」

私はアイボリーのアンサンブルにネービーの膝丈フレアスカート姿だ。

「うん。この前のリクルートスーツはまあ体験入店だったからよかったけど、今日からはちょっとなあ」

「お洋服を買ったほうがいいですか?」

「いやいや、稼ぎに来てるのにわざわざ買わせたりしないよ。一応何着か店に置いてるものがあるから、それに着替えてもらえる?」

今着ている私服ではだめなら従うしかなかった。

< 84 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop