独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「そんな……。玲於奈さんは私にカフェのアルバイトを紹介してくれただけで、なにも知らなかったのに……」

私のせいでふたりの友情が壊れてしまうなんてたまらなかった。

『私がなにも知らない? 本当にそう思っているんですか?』

けれど玲於奈さんはいきなり声を歪めた。

私は固まってしまう。

それはどういう意味なのだろうか。

「もしかして、玲於奈さんは全部知っていて、私をガールズバーに誘うように森窪さんにお願いしたんですか……?」

そんなわけがないとすぐに否定してほしかった。

『さあ? ウエディングドレスの件は残念です。私は仕事には一切私情を挟まないし、あなたを世界一きれいに飾れる自信があったのに。でもまあ、自業自得ですね』

私の願いは虚しく、玲於奈さんはなにも反論せず、言いたいことだけを言って電話を切った。

私は彼女の真意がわからなかった。






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