隣の圏外さん
そのまま先輩の後ろで見守っていると、滞りなく2年生のクラス対抗リレーが行われ、最後の3年生のレースになった。
お、部長はトップバッターなんだ。
「放送部から運動部へ放った刺客、紫組の放送部部長が1位です! あっはっは、速い速い! 運動部の皆さん、一体どうしてしまったんですか?」
凄い。
先輩に対して物怖じせずに煽っていらっしゃる。
ハラハラして周囲の反応を窺ってみたけど、問題なさそうで胸を撫で下ろした。
「すみません。3年生の運動部の方は既に引退されていて、現在は皆さん帰宅部のようです。大変失礼いたしました」
場内で笑いが起こった。
よかった、ウケている。
2年生の先輩方はいつになく楽しそうで、この日のために放送部に入っておられたんじゃないかと錯覚しそうになるほどだ。
いや、もしかしたら錯覚じゃなくて本当にそうなのかもしれない。