隣の圏外さん
お昼になると、当番が交替になって解放された。
凛ちゃんと他のクラスを回る予定である。
「梓、似合ってるじゃん」
凛ちゃんと一緒に教室を出ようとしたところで、梓と美人の先輩が会話しているところに直面した。
一昨日もうちの教室の前でこんな光景を見たし、先輩もこんなに足繁く通うなんて、やっぱり梓に気があるのだろうか。
先輩は梓の衣装を見て、目を細めている。
そして梓の腕に、先輩の腕が絡められた。
「私、梓に案内お願いする」
先輩はそう言いながら、梓を連れて教室に入ってくる。
――やっぱり、嫌だ。
私は下を向いて、できるだけ梓と先輩を見ないようにして通り過ぎた。