隣の圏外さん
全ての審査が終わり、結果発表の時間になる。
軽く全体への講評が述べられた後、奨励賞の発表となった。
そこでなんと、倫太郎君の名前が告げられる。
それを聞いた瞬間、隣に座っている倫太郎君の肩をバシバシと叩いてしまった。
倫太郎君はちょっと面倒くさそうな顔をしている。ごめん。
興奮してしまったけど、初めての大会で賞をもらうなんてやっぱり凄い。
羨ましく感じていると、続いて私の名前も呼ばれた。
嘘。嬉しい。
その後に優秀賞の発表があったが、その間は早く倫太郎君と喜びを分かち合いたくて仕方がなかった。
「やったねー!」
会場を出た瞬間、飛び跳ねながら倫太郎君に話しかける。
「奨励賞でそこまで喜んでいるの、永瀬さんくらいじゃない?」
そう言う倫太郎君も、満更でもなさそうに見える。