隣の圏外さん
試験期間になると、梓と隣の席である。
だから、また梓といっぱい話せるだろうと期待していたのに、梓がなんだか素っ気ないのだ。
数学の質問をしたときには、以前と変わらず丁寧に教えてくれた。
けれども、それ以外の雑談を持ちかけると、梓は困ったような顔をする。
嫌われてしまったのだろうか。
やっぱり、倫太郎君と話しているところを、梓に聞かれていたのが良くなかったのかな。
梓からすると感じが悪かったかも。
そんなことばかりを考えて、ある意味楽しみだった試験期間を悩みながら過ごすことになった。