隣の圏外さん
「最近、元気無いよね?」
昼休みになり、凛ちゃんと久々に食堂へ来たのだが、凛ちゃんに開口一番で鋭い指摘をされてしまう。
「以前と比べて梓の態度がよそよそしくて」
私も直球で相談をぶつけた。
「何かあったの?」
優しくそう訊いてくれる凛ちゃんに甘えて、私は渡り廊下での出来事を話した。
「うーん。様子が変わる直前で思い当たる節がそれだけなら、やっぱりそれが原因なんじゃない?」
「そうだよね……」
考えてみれば、中学のときと似ている状況な気がしてくる。
梓と私の立場が逆になっただけかもしれない。
もちろん、周りの雰囲気も、言った台詞も、意味合いも違う。
でも、私があれだけ傷ついてしまったのだ。
同じように梓のことを傷つけてしまっていてもおかしくない。
たとえ好意を抱いていない相手であったとしても、良い気分にはならないかも。