隣の圏外さん
春
梓と恋人として時を重ねていき、桜が舞う季節になった。
私たちは、今日から高校2年生になる。
また皆と同じクラスだといいな。
そんな淡い期待を抱きながら、掲示されたクラス発表の紙を見に行く。
A組から順番に見ていくけれど、自分の名前が見つからない。
そしてD組の名簿にようやく寺元梓の文字を見つけた。
そこで目の動きを一旦止める。
神様、お願いします。
そう祈ってから、視線を下にずらす。
――あった!
また、梓と同じクラスだ。
こんなに嬉しいことはない。
自分の胸の前で手をぎゅっと握りしめた。
ただ、D組に凛ちゃんや倫太郎君の名前はなかった。
そこは残念だ。