隣の圏外さん


 次の日、教室に向かって廊下を歩いていると、うちのクラスの扉の前で会話している男女が目に入った。

 ゲッ。寺元梓だ。

 奥の扉から入ろう。どうせ隣の席なのに、何を気にしているのだろうと自分でも思うけれど。


 通り過ぎながらちらっと見ると、寺元梓と一緒にいる女の子がとても美人で驚いた。

 寺元梓の方に視線をずらすと、目が合ってしまったので慌てて前を向く。


 そのまま教室に入り席に向かうと、凛ちゃんがもう来ていたようで声をかけることにした。

「おはよう」

「おはよー。ふあぁ」

 早くに来ていたようだがまだ眠そうだ。

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