隣の圏外さん
棚から牡丹餅
次の日、私は目を覚ましてもなかなか起き上がる気になれなかった。
たくさん歩いたのが久しぶりで、疲労感が抜けない。
昨日のことがどうも夢にしか思えない反面、この疲労感こそが現実であることを物語ってくれているな、とも思う。
だらだらとスマホの画面をスクロールしていると、大事な情報が目に入ってきた。
そうだ。今日は新刊の発売日だ。
1番気に入って楽しみにしている漫画の。
ガバッと起き上がり、着替えて1階に下りる。
たまたま仕事が休みだったのか父親がいたので、本屋で参考書を見てくると告げて出てきた。
ちょっと罪悪感が湧いたけれども、こればっかりは邪魔してもらっては困る。
私は電車に乗ってショッピングモール内にある大きな書店を目指した。
少し遠くて行くのが面倒だけど、そこで買うと特典ペーパーがついてくるらしいのだ。