隣の圏外さん


 2人とも食べ終え、フードコートを出ようとしていると、ふと昨日同じクラスの子に言われたことを思い出した。


「常盤君と私って、教室ではそんなに喋ってないよね?」

「うん? 確かにそうかも。うん」


 常盤君は視線を斜め上に向けて考えながら答えた。


「やっぱりそうだよね」

「それがどうかした?」

「ううん。ちょっと気になったことがあって」


 常盤君もそう思うってことは、同じ部活だから仲が良いのだろうと判断されたのかもしれない。


「じゃ、俺は他に寄るところあるから」

「あ、うん。バイバイ」


 私はそのまま家へ帰ると、新刊を読んだ後は、机に向かった。

 友人に会えて、勉強へのモチベーションも高まって、ラッキーな1日だった。

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