隣の圏外さん


 またピーという終了の音が鳴る。


「最初から常盤君に任せておけばよかったかも」

 しゃがみつつ常盤君に声をかける。

「まあ、こういうのは背が高い方が得だよね」


 放送で数がカウントされていく。

 それに合わせて実行委員がボールを1つずつ投げている。


「それだけ狙って入れられるなら、バスケも向いていそうなのに」

「バスケって俺がボールを入れようする間に邪魔してくるじゃん。そうなると多分無理」


 常盤君がバスケをするのを想像してみる。

 うーん、確かに。

 それに常盤君、ボールを取られてしまったらそのまま眺めていそうだ。


 ちらほらともうボールを投げていない組が出てきている。

 私たち白組のボールも最後の1つになり、青空に向かって高く投げられた。


 順位は7組ある中で4位だった。

 まずまずの結果だけど、私自身は何も貢献できなかったのが残念である。

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