セカンド・ファーストラブ
「え、ちょっと待って。LINE?」
伊澄くんが困惑してるような声を出してスマホを手に取った。そしてしばらくすると「あっ」と納得したような声を上げた。
「これただの先輩だよ。明日スタイリストへの昇格試験だから」
そう言うなり私の眼前にスマホの画面を見せつけてくる。そこには『前回のアドバイス意識すれば試験は大丈夫!』という吹き出しの後に、私が見た『じゃあ明日楽しみにしてるね』というメッセージがきていた。
「え、うそ、勘違い·····?」
「うん、そうだね」
申し訳なさと恥ずかしさでまた伊澄くんの顔が見れなくなって俯いた。そんな私の顔をのぞき込むように伊澄くんがソファの下にしゃがんで私を見上げる。心做しか顔がニヤついているように見える。
「なに、杏寿俺が浮気したって思ったからあんなに目潤ませてたの?」
「··········」
「まってなにそれ可愛いんだけど。ね、ちゅーしていい?」
私の返事なんて関係なくどうせする癖に。とじとっとした目で見つめれば腕を引っ張られて身体が前傾する。もう次の瞬間には間近に伊澄くんの綺麗な顔が迫って、そして何も見えなくなる。
下から掬い上げる食むようなキスに、やっぱり私は伊澄くんが心底好きだって思った。きっと伊澄くんが本当に浮気していたとしても泣きながら許してたかもしれないな、と思うくらいには。
伊澄くんが困惑してるような声を出してスマホを手に取った。そしてしばらくすると「あっ」と納得したような声を上げた。
「これただの先輩だよ。明日スタイリストへの昇格試験だから」
そう言うなり私の眼前にスマホの画面を見せつけてくる。そこには『前回のアドバイス意識すれば試験は大丈夫!』という吹き出しの後に、私が見た『じゃあ明日楽しみにしてるね』というメッセージがきていた。
「え、うそ、勘違い·····?」
「うん、そうだね」
申し訳なさと恥ずかしさでまた伊澄くんの顔が見れなくなって俯いた。そんな私の顔をのぞき込むように伊澄くんがソファの下にしゃがんで私を見上げる。心做しか顔がニヤついているように見える。
「なに、杏寿俺が浮気したって思ったからあんなに目潤ませてたの?」
「··········」
「まってなにそれ可愛いんだけど。ね、ちゅーしていい?」
私の返事なんて関係なくどうせする癖に。とじとっとした目で見つめれば腕を引っ張られて身体が前傾する。もう次の瞬間には間近に伊澄くんの綺麗な顔が迫って、そして何も見えなくなる。
下から掬い上げる食むようなキスに、やっぱり私は伊澄くんが心底好きだって思った。きっと伊澄くんが本当に浮気していたとしても泣きながら許してたかもしれないな、と思うくらいには。