セカンド・ファーストラブ
「·····本当は、もっとスマートにいろいろやりたかったんだけど。この前杏寿が寝てる時指のサイズ測ろうとしたら杏寿が起きそうになって結局できなくて」


いまだに状況が飲み込めなくて呆然としてる私に伊澄くんは続けて言う。


「それにスタイリスト昇格試験も前1回落ちてまだ合格してないし、合格してから指輪渡して言おうと思ってて。で最近ずっと指輪とかスマホで調べてた。どうせなら驚かせたくてそれでコソコソしてたんだけど、不安にさせたならごめん」


さっきとは違う意味で、泣きそうになった。


伊澄くんが「ダサいよね、俺」と首を少し傾けて笑う。いつまでも変わらない、その仕草がどうしようもなく愛おしい。



「ダサくなんかないよ。最高にかっこいい。誰よりも、世界で一番かっこいいよ」


笑って言った私の言葉に、伊澄くんは泣きそうな顔で笑う。そして私の手をぎゅっと握った。
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