虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 身をよじるサフィに訴え、アルトリシアは楽しそうに笑った。

 ルブが羨ましそうな目を向けて話しかける。

「アルティっていろいろ勉強してるけど、魔石の扱い方は学ばないのか?」

 それを聞いた瞬間、少女の笑顔が凍り付いた。

「私、魔石はまったく使えないから……」

「そんなことないだろ? 兄貴を直したんだし」

「あんまりよく覚えてないの。すごく怖くていっぱいいっぱいだったから」

 サフィはアルトリシアのおかげだと言い、恩義を感じているようだが、張本人にはまったく自覚がない。

「偶然とか、なにかの間違いとか……違う?」

「間違いで俺サマが目ェ覚ましたってのかよ?」

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