虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
「海ってそんなに怖い? どんな場所なの?」

「塩臭くて身体がベタベタする場所だな」

 行った経験があるのだろうか、とアルトリシアの心が躍る。

「海の話、いっぱい聞きたい!」

「ルブの話はもういいのかよ」

 苦笑しつつも、サフィは自分の知っているものを語り出す。

 ふたりは街を散策しながら、いろいろな話を心ゆくまで楽しんだ。



 約束通りに陽が暮れる前に屋敷へ戻ろうと馬車へ向かうと、なぜか屋敷で待っているはずのゼノハルトがいた。

「もしかして時間を間違っちゃった? ほんとはもっと早く帰らなきゃだめだった……?」

「いや、私が迎えに来たかっただけだ」

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