虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 彼にとって優秀な魔法使いかどうかは些末事に過ぎないのだ。出来損ないでも、役立たずでも、彼のためになにもできないとしても、娘だと思ってくれる。それが泣きたいほど幸せだった。

「ずるいぞ!」

 と、そこにルブの不満げな声が落ちた。いつの間にか姿を現し、顔をしかめている。その隣には飄々とした笑みを浮かべたサフィも立っていた。

「俺もアルティにお兄ちゃんって呼ばれたいよ」

「そうかァ?」

「なんだよ、兄貴はそこまで呼ばれたくないのか?」

「俺はもうお前に兄ちゃんって呼ばれてるだろ。今の呼ばれ方も気に入ってるし」

「俺は誰にも兄ちゃんって呼んでもらってない!」

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