虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 サフィが弟から不満をぶつけられて苦笑しながら肩をすくめる。

 それを、アルトリシアはくすくす笑って見ていた。



 目的を果たしたあと、一日を全力で楽しんだのもあって、アルトリシアはいつもより早い時間に床についた。

 寝かしつけに来たゼノハルトが、眠そうな彼女の頭を優しくなでる。

「湯浴み中にも寝そうだったらしいな」

「うん……。頭洗ってもらうの、好き……」

 とろんとした顔でアルトリシアが笑う。髪を洗う担当者は、最初にこの屋敷で目覚めたときに話をしたあの使用人だ。彼女は絶妙な力加減でいつもアルトリシアを心地よい幸せに引き込んだ。

「今日はもう眠るといい。疲れただろう」

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