虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 サフィに尋ねられ、アルトリシアは自身が力を与えた半透明の白い石を握る。それを手にしたまま、クズ石が詰め込まれた箱を持ち上げようとした。若干浮き上がった程度で、それ以上は手が痛くなってしまう。

「これがほんのちょこっと持ち上がるくらいみたい……?」

「お前にしちゃ上出来か」

 たしかに石の力を活用しないアルトリシアならば、持ち上げるどころか箱を押して位置をずらすのさえ難しい。

「次はなに色の石で試すんだ?」

「えっと、サフィの好きな色は?」

「青」

「じゃあ、青いのでやる」

 放られた石を手に取り、もう何度も試したやり方で力を与える。

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