虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 魔法使いたちは魔石から力を発現させる際に集中力を使った。大きな効果を発揮するためには細かい調整が必要で、器用さはもちろん集中力がなければ制御を失う。そして、集中力が永遠に続く人間はいない。

 アルトリシアもそれは同じで、無限に魔石と向き合っていられるわけではなかった。繰り返し行えば意識が途切れ、違うことを考えてしまう。これは放っておくとほかのものに気を取られやすい幼さによるものも大きい。

 ぱちりとアルトリシアの手の中で火花が散った。サフィに渡された青い魔石を見ると、どんな効果を得たのか頭の中に浮かぶ。

「ひんやりする石が作れたよ」

「暑い日にはいいかもなァ」

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