虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 握ると、火照った手に心地よい冷たさが広がる。

 冷たいものや氷を作るための道具は既に加工師たちが発明しているから、これを使うなら彼の言うように暑い日に握るくらいしかないだろう。

「ふう、疲れちゃった。休憩にするー」

「ルブを呼ぶか? 向こうも休憩だって言ってるが」

 最近、ルブはよくゼノハルトの側にいる。彼らふたりの連絡能力を知ったゼノハルトが、目を離しているときもアルトリシアの様子がわかるようにと頼み込んだからだ。

「パパも一緒にお茶してくれるかな? 忙しい?」

「こっちから言う前に、向こうで用意してるぜ」

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