虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
「人間ってのはめんどくせェ生き物だな」

「私もそう思う」

 そんなふうに苦笑してはいるが、サフィは意外ときれい好きである。特に狼の姿をしているときは、頻繁に毛繕いした。水浴びも積極的にしたがり、毎晩使用人の手で湯浴みをさせられるアルトリシアを羨むような発言も多々ある。

 結局、アルトリシアは服の汚れを諦めてサフィとともにゼノハルトのもとへ向かった。

 彼は「次からは手を拭うための布を用意しろ」と言ったぐらいで、特に叱らなかった。マイネスの家では絶対にやらなかったうっかりをこうしてするようになったのは、アルトリシアがこの家に慣れてきた証でもある。

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