虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 その際、アルトリシアの装飾品も売ってみるのはどうだろうかと笑っていた。

「私、お店屋さんになってみたい」

「……そうか」

 いつもならばすぐに了承するゼノハルトが難色を示す。

 アルトリシアは以前に比べると自分のわがままをきちんと口に出せるようになった。そのすべてを可能な限り叶えてやりたいという気持ちは強いが、出店ともなるとやや不安が残る。

「話を聞く限り、お前の能力は非常に希少なものだ。もしそれが他人に知られたとき、どうなるかわからない」

「やっぱり、だめ?」

 明らかに落ち込んだ娘を前にして、ゼノハルトはぐっと言葉に詰まった。

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