虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 真面目に助言した弟と違い、兄は明らかにおもしろがっている。

(サフィのは却下だもん)

 ふたりに返答してから、様子を窺っていたゼノハルトに目を向ける。

「えっとね、貴重な能力でできたものだって気づかないよってルブが言ってるの」

「……たしかに、効果が付与されているかお前に聞かなければわからないものがほとんどだが」

「それでも難しそう?」

 ゼノハルトとしては、万が一の可能性も避けたい。

 しかし、ずっと虐げられてつらい思いをしてきたアルトリシアに我慢をさせたくない思いも強い。

 しばらく悩んだ結果、彼は厳しい父親ではなく甘い父親になることを選んだ。

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