虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 筒状の入れ物に刺さっているのは、きらびやかな魔石を模した飴だ。色によって味が違うようだが、値段は一律らしい。

「パパはなに色が好き?」

 既にお小遣いを取り出したアルトリシアが、目を輝かせて尋ねる。

「特に好みはないな」

「じゃあ、味は? 甘いの? 酸っぱいの?」

「お前と同じでいい」

 店主の目が、この無愛想な男も飴を食べるのかという顔をしている。

「うーん、うーん。それならこれにする!」

 悩んだ末、アルトリシアはとろりとした黄金色の飴をふたつ手に取った。

「銅貨二枚だよ。パパと仲良くわけな」

「ありがとう!」

「ついでに、みんなには内緒だよ」

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