虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ＆もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

「だからこうして人が集まっているわけか」

「ああ、そうさ。夜には復旧する、なんて言ってるけど、本当かねぇ……」

　転移装置は繊細な道具のため、定期的に整備を行っている。重要な施設というのもあって、こうした問題は起きにくいはずだが、祭のせいで負荷がかかった結果、このような事態になった可能性はあった。

「おうちに帰れないの？」

　心配そうなアルトリシアへ、ゼノハルトは安心させるように微笑みかける。

「いや。予定より少し遅くなるだけだ。もし、どうしても間に合わないようならば宿を取ろう」

「お泊まりするの？」

「ああ。王都の宿を取るか、あるいは……融通を効かせてもらうかだな」