虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 きょとんとアルトリシアが首を傾げる。

「もともと私が城の騎士だったのは知っているだろう。そのときに使っていた部屋を今晩だけでも使えないか聞いてみよう」

 そう言うと、ゼノハルトは転移装置が使えずに不満を漏らす人々を見た。

「この様子では既に泊まりを覚悟して宿を取った者も多いはずだからな」



***



 城に足を踏み入れたはいいが、なぜかふたりは応接間へと案内されてしまった。

「今の騎士団長と話をできれば、それでよかったのだが」

「冷たくしないでくれ。せっかく王都に来たのに、私と顔を合わせずに帰るつもりだったのか?」

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