虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
「サフィとルブ? ふたりはもっと大きいけど、ティトと一緒だよ」

「もっと大きな狼になる方法を知ってる?」

 やや前のめり気味のティトに、アルトリシアは少し驚いた。そういえば彼にとってあの子犬は狼の姿を模しているつもりなのだったと思い出す。

(もっとって言うより、ちゃんとした狼になる方法を聞いた方がいいような……?)

 目を輝かせたティトに、あれはそもそも狼ではないと教えるのも気が引ける。

「えっと……サフィは狼になれるよ。初めて会ったとき、食べられちゃうかと思ったもん」

『食わねエよ』

 すかさず頭の中でサフィの声が響く。

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