虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
「ルブはきれいな鳥になるの。どの本にも載ってない鳥なんだよ」

「へえ……!」

 ティトはその姿を想像するように、少しだけ天井を見上げた。

「ぼくもいっぱい練習しなきゃ」

「練習で変身できるようなものなんだ?」

「うーん。たぶん……?」

 困った顔のティトを見て、アルトリシアは自分の考えが足りていなかったと反省する。

 すっかりサフィたちとの生活に馴染んだ彼女とは違い、ティトの周りには人の姿になる魔石がいない。母親も亡くしたと聞いているから、自身の身体や能力について質問できる相手が存在しないのだ。

< 240 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop