虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 そういうものなのだろうかと問う前に、アルトリシアの頭にルブの手がのる。

「俺はルベウスベリアヴァントリード。硬度は九、核は紅玉。兄貴とは同じ石から生まれたんだ。よろしくな!」

 わしわしとなでる手はサフィより親しみがある。彼はどうも荒っぽいところがあるため、アルトリシアはルブになでられる方が安心できた。

「ルブって呼んでいいの?」

「好きなように呼べばいいさ」

 答えたのは本人ではなく兄の方だった。それをルブも気にしていない。

「じゃあ、ルブとサフィね」

 確認するように言いながら、ふと不安を覚える。

「ルブに会えたから、サフィとはここでお別れ?」

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